HOW TO USE*使い方

フローラルフォームを使う(2)

前回はフローラルフォームの種類についてご紹介しました。
今回は実際に、造花用フォームを使った手順を説明していきます。

用意するもの

フローラルフォーム、カッターナイフ、木工用ボンド、新聞紙(または不要な紙)
※フローラルフォームはカットすると細かな粉が出てきますので、作業するスペースに新聞紙を敷いてください。

1)フォームをカットする

器の大きさに合わせて大まかに切り分けます。

切り分けたフォームに、器の口をあてて軽く押さえるとフォームに跡がつきます。
その跡を目安に、器に入るように大きさまで切り落としていきます。

高さは作るアレンジによって変えてください。
高さを出さないアレンジの場合なら、器の口より少し低めが作りやすいです。

こんなときはどうするの?:器の形が丸や楕円形のとき


一度に切り出そうとしなくても大丈夫です


最初からその形に切ろうとするのではなく、真ん中に詰める四角形を最初にカットし、後からその両端を埋めるようにフォームを詰めていくようにしてください。
器の中のオアシスが何ピースかに分かれても大丈夫です。

2)フォームを器にセットする

フォームを器にセットするときのコツは、器の中でフォームが動かないようにすること。
器との接着面にボンドをしっかり塗ってセットします。
もしも、フォームがぐらつくようでしたら、器の隙間にフォームの切れ端をつめてください。

3)フォームの表面を隠す

方法は2つあります。

・モスをワイヤーで留める方法

短く切ったワイヤーをU字状に曲げ、数カ所をフォームに刺しとめていきます。

・モスをボンドで貼り付ける方法

フォームの表面にボンドを塗り、モスを貼り付けていってください。
ボンドが固まるとお花が挿しにくくなるので、ボンドが固まる前にアレンジを仕上げる必要があります。

こんなときはどうするの?:ガラスやワイヤーかごのベースを使うとき


包装紙で隠す方法などがあります


フォームを包装紙で包んだ場合、隠れてしまえば包み方はなんでもいいのですが、お花を挿す面に紙の重なりが少なくなるようにしてください。
紙の厚さ分、お花が挿しにくくなるので、注意しましょう。

留め方はセロテープでも構いませんし、ワイヤーでUピンを作って留めてもOKです。
また、リーフやリボンを周りに貼って表面を隠す方法もあります。
ワイヤーかごにセットするときは、フラワーフォームを2〜3カ所ワイヤーで固定しておきましょう。

4)花を挿していく

挿す前にはステムの先にボンドをつけてください。フォームの中でボンドが固まり、しっかり固定されます。
アレンジが完成したあとは、しっかり乾燥させましょう。

フォームが硬くて、お花が挿せない場合は、挿したいところに千枚通しなどで軽く穴を開けておくと挿しやすくなります。

一度フォームを挿した花の向きを変えたり、お花を挿し直したりすることは、できるだけ少なくしましょう。
ステムを動かすことで穴が広がり、お花がしっかり固定されなくなってしまいます。
また、フォームが穴だらけになってしまい、見た目が美しくありません。

フローラルフォームをきちんとベースにセットしておくと、アレンジも作りやすいですし、完成したあともせっかく完成したアレンジが崩れたりしにくくなります。
最初はきれいにセットできないかもしれませんが、何度もやっていくうちに上達してきますよ!

フローラルフォームを使う(1)

アレンジを作るときに欠かせないのが、フローラルフォームです。

どれを使っても一緒でしょ?と思われている方、そうではありません。
フォームにも種類があり、使用する花材や目的で使い分けることが必要になってきます。

フローラルフォームってなに?


お花をしっかり固定するための使い捨てのスポンジのこと。



フェノール樹脂やウレタン樹脂などで作られており、
栽培のための道具ではなく、お花をアレンジするために使います。

スポンジとは言っていますが、触感は「ふわふわ」というよりは「ぱさぱさ」しています。
粉っぽく、弾力性に乏しいです。
指で表面を指で押される方がいらっしゃいますが、押した跡が元に戻ることはありません。
へこみ、傷、花の挿した跡は、時間がたっても元に戻りません。

基本的にはフォームの表面が見えないようにアレンジしていきます。
アレンジを作る際には、表面をモス(苔)で覆っておくなどしてください。
アレンジで表面がまったく見えなくなるようでしたら、この作業は不要です。

フローラルフォームに種類はあるの?


フローラルフォームには大きく分けて3つの種類があります。


・生花用フォーム

・造花用フォーム

・カラーオアシス

それぞれ、花材や用途によって使い分けます。
形はブリック型(直方体)が最も一般的ですが、ハート型やリース型、ブーケ用のホルダーが付いたもの、球形や円錐などさまざまな形があります。
アレンジの目的によって使いやすい形のものを選んでください。

では、フォームの特徴を見ていきましょう。

生花用フォーム

オアシス、アクアフォームと呼ばれることもあります。
吸水性があり、十分に水を含ませると98%が水分となり、生花を挿してもほとんど水につけているのと同じ状態になります。
水を十分に吸わせた状態で使用することを目的としているので、造花には向きません。
しかし、後に出てくる造花用フォームよりも柔らかいため、小さめの造花やプリザーブドフラワーのアレンジに使用されることもあります。

造花用フォーム

主に、造花、プリザーブドフラワー、ドライフラワーのアレンジに使用します。
ウレタン樹脂製のフォームで、給水性はありません。
アレンジを固定するときに、グルーガン、ホットメルトなどの熱を帯びる接着剤を使用しても溶けることがありません。
生花用フォームより硬いため、造花やプリザーブドフラワーのステム(茎の部分)もしっかり支えることができます。

カラーオアシス

スミザーズ・オアシス社から販売されている、色のついたウレタン製のフォームです。
生花、造花、プリザーブドフラワー、ドライフラワー、すべての花材に使用できます。
生花用フォームに比べると硬めですが、造花用フォームよりは少し柔らかめです。
白、ピンク、グリーン、ブルーなど、カラーバリエーションも豊富です。

「フローラルフォームは、表面を隠すことが基本」と先ほどご説明しましたが、カラーオアシスに関してはその必要がありません。
ガラスやワイヤーかごのようなフォームが見えてしまうアレンジ、フローラルフォーム自体をベースとして見せるアレンジに使用できます。

次回はフローラルフォームの具体的な使用方法をご紹介いたします!