「仕事」
人生で仕事ほど面白いものはない

若い頃、仕事についてよく悩みました。仕事とは何か、自分に向いた仕事とは何か、どんな働き方がよいのか。そして人一倍仕事をしてきて、色んな成功者や、失敗事例をみて思うこと。歳を経て、この仕事やってきてよかったなあという人の話をきいて思うこと、その現実・事実。大きく分けて二通りあるでしょうか。

一つははっきりと好きなことがあって、その目標に向かってゆく人。又はある能力・才能があって、それを活かした方向を目指す人。この場合は、ベクトルそのものにそんなに迷いはなくて、むしろ手段・方法論で悩むんじゃあないでしょうか。どうすれば目標が達せられるのか、どの道筋を歩んでゆけば良いのか。
もう一つは、何をやっていいか分からない、特別な才能があるわけでもない場合です。目標が見えないわけだから、彷徨います、困ったもんです。でも実際は、多くの人がこんな感じじゃあないでしょうか。

私は、これといってはっきりやりたいことがあったわけでもなく、能力も才能もありませんでした。だから与えられた仕事を、好き嫌いなく、人一倍努力するしかない。そうして今までやってきました。学生時代に、沢山の色んな種類のアルバイトをしました。いわゆる3Kの仕事ばかりでした。きつい、きたない、きけんなしごと。そんな仕事でも、一週間もすれば慣れてきます。半月ひと月すれば、こつが呑み込めて来て、それなりに面白くなってきます。創意工夫がなされると、やり甲斐も生まれます。仕事としてある以上、何か人の役に立つか、人を喜ばせるものがあります。世の中の役に立つという感覚は、責任感だけでなく、楽しくさえなります。

いやいや仕方なしにスタートしても、最初は生活のためであっても、行き着く所は思いがけなく楽しい展開が待っている。そんなものだと、若い迷える人たちに伝えたい。少なくとも私の周りには、そんな道筋を歩んだ人が多いです。好きでこの仕事をスタートさせて、そして今があるという人は少ない。たまたま何かのきっかけやしがらみで始めたことが、時には好まないけれども自分がやるしかないからやったことが、思わぬ展開でこうなったという話ばかりです。そして与えられた運命と、今の自分に感謝されます。

どうしてもやりたいことがあるのなら別ですが、そうでないならあれやこれやとあまり選り好みせず、何でもいいから一つの仕事をやり続けてみませんか。どんな仕事でも面白いですよ。どんな仕事でもいいと思えれば、人生なんでもこいと度胸もすわります。山のてっぺんは一つですが、そこへ至る道は人の数だけあります。どこまで行けるか人それぞれですが、一生懸命働いて、少しでも眺めの良い場所へ行きませんか。

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