戦後の高度成長で、ほぼあらゆる産業が発展し続けました。物の無い時代に、作っては何でも売れ、右肩あがりにマーケットは膨らんでゆきました。やがてものはあふれ、飽和状態となり、縮小を始めます。主役はハードからソフトへ、メーカー本位からお客様主体へと変化してゆきます。衣食住ともに、成熟が始まりました。お客様を満足させられないサービスは、支持されなくなります。この流れは今後ますます加速してゆくでしょう。

そんな中にあって、造花は大変なニッチマーケットであり、大きく花開いたこともなく、その商品の華やかさとは裏腹に、陽の当たらない地味な業種でした。例えば皆さんの町なかに、造花屋さんはありません。パン屋さん、お寿司屋さん、雑貨屋さん、ケーキ屋さん、洋服屋さん、生花屋さんはあります。造花はどこに行けば買えるのか。大都市にのみある大きな問屋、雑貨店や陶器店の片隅に、手芸店のコーナーに、或いは限られたデパートの造花売り場。

花びしはこの難問に長年取り組んでまいりました。造花のプロショップを成り立たせたい。汎用性と再販性の少ないこの商売を、何とかマスマーケットに耐えうる事業に成長させたい。全国各地に、造花屋さんを作りたい。強い志を持って取り組まないと、乗り越えられる壁ではありません。このチャレンジは、何度も何度もはね返されてきました。失敗に次ぐ失敗の連続でした。その点においては今の時代にあって、一つのベンチャービジネスであります。

それでも幸い私どもの仕事は、女性が活躍出来る職場です。スタッフも、役員も、デザイナーも、プロも、もしかしていずれ花びしの社長も。私どもが成長することで、女性の活躍の場を拡げることになり、日本を元気にすることが出来ると思っています。又、私どもの仕事は、指先を使います。目を動かします。手足・全身を使って汗を流します。とても体にいい。心も豊かになります。世の中のお役にたちたい、その一隅を少しでも照らす事が出来ればと願っております。

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